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健康日本21(第二次)の開始

No.4697 (2014年05月03日発行) P.60

山田恵子 (大阪大学公衆衛生学教授)

磯 博康 (大阪大学公衆衛生学教授)

登録日: 2014-05-03

最終更新日: 2016-10-26

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平成12(2000)年に国民健康づくり運動として「健康日本21」計画がスタートし,その後,健康増進法の制定を受けた一部改正を経て,同計画はわが国の健康施策の柱として機能してきた。24年度に全部改正され25年度から展開している「健康日本21(第二次)」の特徴について述べる。
健康日本21(第二次)は日本の10年後を見据えた健康増進施策で,少子高齢化が著しく進む日本社会を鑑みて,健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)の延伸,および健康格差(地域や社会経済状況の違いによる集団間の健康状態の差)縮小の実現をめざしている。
当初計画より引き続き,客観的かつエビデンスに裏付けられた具体的な数値目標が示され,各自治体がこれを参考に独自の健康増進計画を策定し,策定後の評価も行いやすいように意識されている。さらに第二次計画では,生活習慣病の発症予防と重症化予防が強化されている。これに関連して,がん,循環器病,糖尿病およびCOPDなどを一括した非感染性疾患(non communicable disease:NCD)に対する対策の考え方が掲げられている。NCD対策はWHO(世界保健機関)を中心とした国際的な健康施策の潮流を伴っており,わが国でもその重要性が強く認識されている。
また,人々のネットワークが活発化することで社会の効率性が高まるというソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の概念を引用し,ひいては健康増進に役立つとの方向性を示したことも新しい。健康施策はもはや個人の生活習慣の改善にとどまらず,各個人を取り巻く社会環境の整備へと目が向けられている。

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