薬剤耐性菌の蔓延が世界的な問題となっている。今年6月にドイツで開催された主要7カ国首脳会議は、首脳宣言に初めて耐性菌対策を盛り込み、「抗菌薬の適正使用、基礎研究、疫学研究、感染予防の促進、新たな抗菌薬、代替的治療、ワクチンと迅速な検査の開発に取り組む」と謳った。
「このままでは、ペニシリンが開発される前の時代が再び訪れるかもしれない」。先月都内で開かれた日本化学療法学会のメディア向け勉強会。司会役の清田浩氏(慈恵医大)が強い危機感をあらわにした。演者の舘田一博氏(東邦大微生物・感染症学講座教授)、松本哲哉氏(東京医大微生物学分野主任教授)の講演から、耐性菌問題の現状を紹介する。
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