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難治性群発頭痛に対する新規治療:迷走神経刺激療法

No.4765 (2015年08月22日発行) P.47

柴田 護 (慶應義塾大学神経内科専任講師)

登録日: 2015-08-22

最終更新日: 2016-10-26

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群発頭痛は一側性の激しい頭痛と同側の自律神経症状を呈する疾患であり,特に慢性群発頭痛の治療には困難を伴うことが多い。有効な予防療法は確立しておらず,難治性の慢性群発頭痛症例には深部脳刺激療法が施行されるが,侵襲性が高いことが問題点である。
今回紹介する論文(文献1)では,ポータブルの経皮的迷走神経刺激装置であるgammaCoreRの群発頭痛に対する効果を,オープンラベル方式で検討している。米国の2施設に通院する,発作性および慢性群発頭痛患者19名(男性11名,女性8名,年齢13~84歳,慢性群発頭痛11名,発作性群発頭痛8名)が解析対象となった。慢性群発頭痛患者のうちの7名は複数の予防薬に抵抗性であり,難治症例と考えられた。
このうち15名の患者で有効性が確認された。また,慢性群発頭痛の中の5名では,治療開始26週後と52週後で改善の程度に有意な変化を認めず,効果の持続性が示唆された。発作頻度は,全症例で解析すると4.5回/24時間から2.6回/24時間へと有意に低下し,酸素投与やスマトリプタン皮下注などの急性期治療を必要とする回数も減少した。また,今回の研究ではgammaCoreによる明らかな有害事象は報告されなかった。
以上の結果から,gammaCoreは非侵襲的で忍容性が高く,かつ有効な群発頭痛治療法である可能性が示された。また,難治性の慢性群発頭痛症例に対して良好な成績が得られたことも特筆すべき点である。

【文献】


1) Nesbitt AD, et al:Neurology. 2015;84(12):1249-53.

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