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小児のカテーテルアブレーション治療

No.4766 (2015年08月29日発行) P.50

尾崎智康 (大阪医科大学小児科)

玉井 浩 (大阪医科大学小児科教授)

登録日: 2015-08-29

最終更新日: 2016-10-26

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成人領域における頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療(以下,アブレーション)は確立されており,その有用性は論を俟たない。国内でも1990年代後半から,小児循環器領域でWPW症候群を中心として,各施設で独自に頻脈性不整脈に対するアブレーションが行われるようになっていたが,2010年に『小児不整脈の診断・治療ガイドライン』(文献1)が日本小児循環器学会より発表され,アブレーションに対する一定の指針が示された。
アブレーションの適応は症状,頻拍機序により決定されるが,小児では年齢,頻拍の自然歴,薬剤の反応性,基礎心疾患の有無,基礎心疾患の手術時期や手術法などにより大きく左右される。このような“小児の特殊性”に加え,使用する3次元マッピングシステムやカテーテルは,基本的に成人用であることを熟知した上で,施設の熟練度も考慮し,アブレーションを行うかどうかを決定すべきである。その中で,小児循環器領域からも成人例の報告と同等のアブレーションの有効性・安全性を示す報告(文献2)が出ており,対象症例の増加が予想される。
また,先天性心疾患手術の適応拡大に伴う術後不整脈に対するアブレーション症例の増加も考えられるが,治療可能な医師・施設の不足が懸念され,さらなる人材の育成ならびに施設の拡充が喫緊の課題である。

【文献】


1) 小児循環器学会「小児不整脈の診断・治療に関する検討委員会」:小児不整脈の診断・治療ガイドライン. 日本小児循環器学会, 2010.
2) An HS, et al:Pacing Clin Electrophysiol. 2013;36(12):1488-94.

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