2013年に国際頭痛分類が第3版beta版(ICHD-
3β)へと改定されたことが,片頭痛における最近の重要な知見のひとつと言える(文献1,2)。
国際頭痛分類第2版(ICHD-2)では,前兆のない片頭痛,前兆のある片頭痛,小児周期性症候群,網膜片頭痛,片頭痛の合併症および,片頭痛の疑い,のサブタイプにわけられていた片頭痛は,ICHD-3βでは慢性片頭痛がサブタイプとして独立し,網膜片頭痛が前兆のある片頭痛のサブフォームとなった。このため,前兆のない片頭痛,前兆のある片頭痛,慢性片頭痛,片頭痛の合併症,片頭痛の疑い,片頭痛に関連する周期性症候群,の6つのサブタイプへと分類が改定された。
また,前兆のある片頭痛は,典型的前兆を伴う片頭痛,脳幹性前兆を伴う片頭痛,片麻痺性片頭痛,網膜片頭痛,の4つのサブフォームに分類されている。さらに,脳幹性前兆を伴う片頭痛は,ICHD-2では脳底型片頭痛と呼ばれていたが,脳底動脈の病態への関与が明らかでなく,前兆は脳幹に由来する症状の可能性が高いことから,このように変更された。
今後,頭痛に関する研究はICHD-3βに従い行うことが必要である。
1) Headache Classification Committee of the International Headache Society(IHS):Cephalalgia. 2013;33(9):629-808.
2) 日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会, 訳:国際頭痛分類. 第3版beta版. 医学書院, 2014.