【質問者】
家子正裕 北海道医療大学歯学部内科学分野教授
HITは,ヘパリン投与(未分画,低分子量いずれでも)を契機とし,血小板活性化能を持つ抗血小板第4因子(PF4)/ヘパリン抗体(HIT抗体)が誘導されることで,血小板・単球・血管内皮の活性化,トロンビン産生が促され,血管内血小板凝集による血小板減少とともに,血栓塞栓症を高率(~50%)に誘発します。HITは以下の免疫学的特異性を示します1)。
(1)ヘパリン初回投与患者であっても,二次免疫応答のようにHIT IgG抗体がヘパリン投与開始後4日目から産生されうる2)。
(2)ヘパリン再投与の際のanamnestic responseを欠く3)。
(3)通常の二次免疫応答と異なり,比較的早く(平均約50~85日で)消失する4)。
臨床情報に基づいたスコアリングによって,HITらしさを判定する臨床診断法の中で上記免疫学的特異性をうまく反映できているのが,4Tsスコアリングシステムです5)。
残り1,121文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する