厚生労働省の「がん検診のあり方に関する検討会」(大内憲明座長)が8日に開かれ、来年6月から始まる次期がん対策推進基本計画策定に向けたがん検診受診率等の議論を整理した。がん検診受診率(用語解説)は、現行の基本計画の目標である50%を達成できていないが、受診率向上に繋がる対策をとり、次期基本計画では50%よりも高い目標を設定すべきとした。
報告書は受診率向上に向けて、現在の受診率に関する課題を列挙。①「国民生活基礎調査」は市町村別の受診率が算定できない上、自己記入式で正確性に欠ける、②市町村ががん検診受診率を調査する「地域保健・健康増進事業報告」では自治体で算定方法が異なる─などと指摘した。その上で、市町村検診については全ての市町村間で比較可能な「国民健康保険の被保険者数」を分母、そのうちの「市町村事業のがん検診受診者」を分子として算出した値を第1指標とし、値を公表することを求めた。
職域のがん検診についてはガイドラインを策定し、がん検診の定義を明確にすることや、保険者や事業主、検診機関で使用するデータフォーマットの統一化が求められるとした。
将来的には職域の検診も含めて全住民の受診率を実数で算定する仕組みの構築が必要としている。
報告書は、今月下旬に開催されるがん対策推進協議会に報告される。