厚生労働省が公表した受動喫煙防止対策法案に対する2回目の公開ヒアリングが16日に開かれた。医療団体から参加した日本医師会、日本歯科医師会、日本看護協会、日本薬剤師会はすべて厚労省案に賛成した。
受動喫煙防止対策法案は、2020年の東京五輪や19年のラグビーワールドカップに向けて厚労省が10月12日に公表。対策のレベルを3分類し(表)、罰則も設ける。医療機関は最も厳しい「敷地内禁煙」とされた。
ヒアリングで意見陳述した日本医師会の今村聡副会長は、厚労省案について「概ね賛成」と支持。「喫煙は本人のみならず周囲の健康にも害を及ぼすことを(国民全体が)理解することが必要だ」と強調した。“概ね”とした理由については、「喫煙室を設けるべきではない。人の出入りがある以上、完全分煙はできない。多額の費用をかけて作る意味はなく、逆に中小企業に負担をかける」と指摘。さらに「(喫煙が認められたエリアで働く)従業員を受動喫煙から守ることが大事」と指摘するとともに、たばこによる健康被害は国民医療費の増加につながることから、「(喫煙は)医療的、経済的な問題。健康寿命延伸のため、社会全体で対策を進めることが極めて重要だ」と訴えた。
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