社会保障審議会医療保険部会(遠藤久夫部会長)は18日、政府の「経済・財政再生計画工程表」などで検討が指摘されている、「かかりつけ医」以外を外来受診した場合の定額負担導入について、今年末に取りまとめを行う医療保険制度改革案に盛り込まない方針を了承した。
定額負担を巡っては、前日の17日に財政制度等審議会建議がかかりつけ医を普及する観点から、かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担導入を提言したばかり。しかし厚労省は、かかりつけ医の普及は重要としつつ、前回10月26日の同部会の議論を踏まえ、診療科ごとに複数の「かかりつけ医」を認めるかどうかなどの課題があり、「かかりつけ医」の要件を設定するには一定の時間を要すると整理した。
18日の会合では定額負担について、「かかりつけ医」の定義が明確でない現時点での導入は時期尚早、との意見が大勢を占めた。その上で、白川修二委員(健康保険組合連合会)は外来のさらなる機能分化の必要性を強調。「2016年度診療報酬改定で紹介状を持たない患者が大病院を受診した場合の定額徴収が選定療養として義務化されたが、保険内を含め患者負担のあり方を幅広く検討する必要があるのではないか」と指摘した。