世界各国でテロ事件が頻発しており、2020年東京五輪もテロの標的になることが懸念されている。医療者はテロにどう向き合うべきか。11月17日に都内で開かれた日本救急医学会学術集会シンポジウムでは、救急・災害医療の専門家が登壇し、提言を行った。
山口芳裕氏(杏林大)は、東京五輪では1000万人以上の観客が見込まれることから、「『メガ・マスギャザリング』(巨大群衆)に対応可能な重厚な医療体制の構築が必要」と指摘。テロ対策で参考にすべき事例としては、ボストンマラソンテロ(2013年)への対応(表)を挙げ、「医療者も『明確な悪意』を意識した体制を考えるべきだ」と述べた。
大友康裕氏(東京医歯大)は、国内のCBRNE(用語解説)対策の課題について、地下鉄サリン事件(1995年)の知見を基に「全ての救急指定病院でCBRNEテロの初期対応ができるよう、除染設備を整えるべき」と提言した。
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