厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は11月24日、抗インフルエンザウイルス薬「タミフルドライシロップ3%」(中外製薬、一般名:オセルタミビルリン酸塩)について、1歳未満の新生児・乳児への投与を、同日付で保険適用とすることを認めた。
日本小児感染症学会などが適応追加を要望していた。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の報告書に基づき、第二部会が承認審査前の評価(事前評価)を行い、適応外使用に係る公知申請(用語解説)が可能と判断した。今後、中外製薬が申請し、正式に承認される。
同日の部会では、がん免疫療法薬「キイトルーダ点滴静注」(MSD、一般名:ペムブロリズマブ)について、「PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の適応追加の承認が了承された。同剤は「オプジーボ点滴静注」(小野薬品工業、一般名:ニボルマブ)の類薬。9月に「根治切除不能な悪性黒色腫」への効能・効果で承認を得ていたが、高額薬剤問題を巡る議論を考慮し、11月に予定されていた薬価収載が見送られている。同剤の薬価は、薬価算定のルール上、引下げ後のオプジーボと同程度になるとみられる。
同剤を非小細胞肺癌患者に投与する際には、腫瘍組織に占めるPD-L1陽性の腫瘍細胞の割合が指標となる。厚労省はPD-L1の発現を調べる診断薬の審査も進めており、早ければ年内にも承認される見通し。