小児科と小児外科は小児医療の両輪であり、年齢で区切られた数少ない診療科です。医療の細分化が進む中で、両科ともあまり細分化されておらず、守備範囲が広いのが特徴です。小児科は小児の一般内科で、小児外科は小児の一般外科とされています。こうした観点から、私が長年勤務していた石川県立中央病院では、小児科を「小児内科」と呼んでいましたが、これは小児医療を担う両輪として理にかなっていると考えています。
小児外科医である私にとって、小児科医は頼りがいのある兄貴分です。鎖肛で紹介された患者に心雑音が聞かれる、手術予定の患者が風邪をひいたなど、このような場合はまず小児科医に助言を求めます。一方、小児科医から相談されることも多々あります。赤ちゃんに嘔吐が続いているが肥厚性幽門狭窄症では、頑固な便秘が続いているがヒルシュスプルング病では、強い腹痛を訴えているが急性虫垂炎では、尿路感染を繰り返しているが膀胱尿管逆流症では、といった内容です。
小児科・小児外科の連携がうまくいった事例を2つ紹介します。1つは、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症に胃食道逆流症を合併した症例です。
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