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好酸球性副鼻腔炎 【重症好酸球性副鼻腔炎の患者は,全国におよそ2万人いることが判明】

No.4832 (2016年12月03日発行) P.51

小林信之 (国立病院機構東京病院統括診療部部長)

登録日: 2016-11-30

最終更新日: 2016-11-28

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1990年代後半からわが国では,内視鏡鼻副鼻腔手術やマクロライド療法に抵抗性を示し,易再発性の難治性副鼻腔炎が増加してきた。その特徴は,成人発症で嗅覚障害を伴い,両側に鼻茸があり,篩骨洞優位の陰影がある。末梢血好酸球増加を伴い,気管支喘息やアスピリン不耐症の合併も多くみられる。このような副鼻腔炎の粘膜には多数の好酸球浸潤が認められるため,好酸球性副鼻腔炎と命名された。

多施設共同大規模疫学研究(JESREC Study)では,両側病変,鼻茸あり,CT所見(篩骨洞優位な陰影),末梢血好酸球比率からなる,臨床スコアによる好酸球性副鼻腔炎に対する診断基準がつくられた。さらに,臨床スコア,アスピリン不耐症,NSAIDsアレルギー,気管支喘息の合併,CT所見,末梢血好酸球比率による重症度分類(軽症,中等症,重症)が作成されている。

重症度分類は,術後の鼻茸再発と有意に相関し,最も易再発性かつ難治性の重症好酸球性副鼻腔炎の患者は,全国におよそ2万人いることが判明した。好酸球性中耳炎を伴うことがあり,その場合は難治性で,聴力障害は進行し聾に至る,とされる。

保存的治療法としては,経口ステロイド以外に有効な薬剤がない。手術療法は有効であるが再発することが多い。なお,好酸球性副鼻腔炎は2015年に指定難病に選定された。

【参考】

▶ 藤枝重治, 他:アレルギー. 2015;64(1):38-45.

【解説】

小林信之 国立病院機構東京病院統括診療部部長

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