「腸内フローラとメンタルヘルス」をテーマにしたシンポジウムが先月、ヤクルト・バイオサイエンス研究財団の主催で開かれ、最新の研究結果が発表された。
シンポでは、西田憲生氏(徳島大院病態生理学分野准教授)が、2012~14年に進級試験を受験した医学生140人を2群に分け、ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株含有飲料(LcS)、あるいは、プラセボ飲料を試験8週間前から毎日1回摂取させたプラセボ対照二重盲検比較試験の結果を報告。LcS摂取群では、腹部症状や頭痛、上気道感染症の発症頻度が有意に低下し、試験直前のストレスバイオマーカー(唾液コルチゾール)の上昇が有意に抑えられた。
西田氏は、「プロバイオティクスがストレスによる交感神経系の活性を緩和し、身体的症状を改善することが今回の研究で明らかになった。自律神経系が関与しており、他にも脂質代謝の改善、高血圧の予防に役立つ可能性がある」と指摘した。
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