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悪性リンパ腫のinvolved site radiation therapy(ISRT)の今後の展望とdelineationのコツ 【初診時に撮影した造影CT,FDG-PET/CTを治療計画に活用。より高い局所制御率と周囲細胞への被曝線量の低減を達成しつつある】

No.4836 (2016年12月31日発行) P.60

副島俊典 (兵庫県立がんセンター放射線治療科部長/診療科長)

小口正彦 (がん研有明病院放射線治療部部長)

登録日: 2016-12-29

最終更新日: 2016-12-19

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  • 悪性リンパ腫におけるinvolved site radiation therapy(ISRT)の今後の展望とdelineationのコツをお教え下さい。がん研有明病院・小口正彦先生のご回答をお願いします。

    【質問者】

    副島俊典 兵庫県立がんセンター放射線治療科部長/診療科長


    【回答】

    国際リンパ腫放射線腫瘍グループ(International Lymphoma Radiation Oncology Group:ILROG)から悪性リンパ腫に対する5編の放射線療法に関するexpert guidelineが発表され,放射線腫瘍学の中で最も読まれた論文としてトップを独占するなど,国内外で関心が高まっています。WHO分類に統合された悪性リンパ腫の疾患分類別に放射線療法の果たす役割は異なりますが,種々のサブタイプにおいて治癒に貢献することが明らかです。しかし長期生存が得られるようになって,放射線療法による遅発性毒性が重要な問題と指摘されてきました。

    (1)ISRTの要点
    ILROGが取りまとめたISRTの要点は,最新の画像診断法と放射線療法技術を用いることで,治療体積と照射線量を科学的かつ適切に小さくできることです。これにより標的体積に十分な線量を照射して高い局所制御率を得つつ,周囲の正常組織の被曝線量を低下させ有意に遅発性有害反応の発症頻度と程度を低減することが期待されています。

    ISRTの基本的概念は,国際放射線単位・測定委員会(International Commission on Radiation Units and Measurements:ICRU)(pub. 83)に基づき,European Organisation for Research and Treatment of Cancer(EORTC)の提唱したinvolved-nodal radiation therapy(INRT)の概念を伝承しています。INRTでは薬物療法前の画像診断取得方法が,正確かつ厳密であり,初診時から放射線治療の体位で画像取得されていることが求められますが,ISRTでは,画像診断情報が不確実である場合や,不足する現実の実臨床をふまえて,マージンを臨床判断で広めにとることを許容しています。従来の平面的な2次元治療計画によるinvolved field radiation therapy(IFRT)と比較して,3次元CT治療計画によるINRTやISRTは小さく設定することが可能です。

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