日本循環器学会は15日に災害医療をテーマにプレスセミナーを開き、講演した掃本誠治氏(熊本大・写真)は、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)に早期介入する専門チーム「DVAT(Disaster Venous thromboembolism Assistance Team:災害時静脈血栓症対策専門チーム、仮称)」設立の必要性を訴えた。
掃本氏によると、熊本地震発生後の今年4月14日~6月13日に発症した、入院を必要とする深部静脈血栓症患者は51名。そのうち32名が発災から1週間以内に発症し、5月15日以降の発症はゼロだった。
掃本氏は、「災害時は目の前の重症患者を優先的に救助するため、深部静脈血栓症への対応が遅れやすい」と指摘。血栓症の専門医や看護師、技師、保健師等による統制のとれたチームを設立し、避難所の被災者に対して、早期から急性脳・心血管病の予防啓発活動を行うことが必要だと強調した。