2018年度から特定健診・保健指導の健診項目が見直されるのに伴い、厚生労働省の「特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会」(永井良三座長)が12月21日、新たな健診項目の受診勧奨と保健指導の判定値を決めた(表)。
新たに健診項目に加わるのは、「随時血糖」「non-HDL」「血清クレアチニン(eGFR)」。保険者が特定健診・保健指導の枠組みについて議論する厚労省の「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」が昨年8月に18〜23年度の第三期特定健康診査等実施計画期間について議論を整理し、この中で新たな健診項目について方向性が示された。このうち随時血糖については、健診受診率向上のため、「やむを得ず空腹時以外においてHbA1cを測定しない場合は、食直後を除き随時血糖により血糖検査を行うことを可とする」とされた。
21日の検討会で門脇孝構成員(東大)が、食後3.5時間以上を経過すると血糖値の分布が空腹時に近づくなどとする文献を紹介。これを踏まえ厚労省は、食直後の定義を「食後3.5時間まで」とすることを提案し、了承された。
このほかnon-HDLとeGFRについても前回会議での専門家の意見を踏まえ厚労省が判定値を提案。
non-HDLについては「non-HDLを用いて評価されるのは、中性脂肪が400mg/dL以上や食後採血の場合と考えられるため、現行のLDLの判定値+30mg/dLを判定値としてはどうか」と提案し、了承。
eGFRは詳細な健診項目として、「血圧または血糖検査が保健指導判定値以上の者で、医師が必要と認める者に対して実施する」とされ、受診勧奨判定値45mL/分/1.73㎡、保健指導判定値60 mL/分/1.73㎡とすることが了承された。