(質問者:鹿児島県 T)
アレルギー性鼻炎の場合は,アレルゲンの吸入により肥満細胞からヒスタミンなどが分泌され,それが,鼻粘膜における知覚神経である三叉神経終末にあるヒスタミン受容体(H1受容体)と結合します。そこから求心性インパルスが延髄のくしゃみ中枢へ伝わり,刺激を受けたくしゃみ中枢から遠心性インパルスが各種神経を通って呼吸筋(横隔筋,肋間筋など),喉頭筋,顔面筋へと伝わり,くしゃみが起こります。
一方,鼻粘膜の知覚神経である三叉神経の線維の1つであるC線維では軸索反射,すなわち刺激を受けた神経終末からの求心性インパルスが別に分枝した神経に逆行性に伝達され,神経終末からタキキニン(サブスタンスP,ニューロキニンA)やカルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene-related peptide:CGRP)などの神経ペプチドが放出されます。これらの神経ペプチドは神経原性炎症,すなわち血管の拡張や透過性の亢進や炎症細胞の遊走などを惹起し,鼻粘膜過敏性を亢進させます。アレルギー性鼻炎患者では,ブラジキニンがC線維を刺激して,くしゃみを増悪させます1)。
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