(質問者:石川県 Y)
ご指摘の通り総合感冒薬の内服によるアナフィラキシーショックが疑われるかと思います。
被疑薬であるパブロン®SゴールドWは,6種類の主成分と多数の添加物によって成り立っています。したがって,それらの成分をメーカーから取り寄せ,即時型アレルギーの検査の1つであるプリックテストないしスクラッチテストを(前腕屈側の皮膚表面に微細な傷をつけ抗原を塗布ないし滴下する)行うことにより,原因成分の同定に至ります1)。
非常に多数の成分の試験を行うことになるため,アンブロキソール塩酸塩,L-カルボシステイン,コデイン,アセトアミノフェンなど,薬疹の報告の多い成分から検査を開始するのも一法です。スクラッチテストといえども,アレルギー症状が誘発される可能性もあり,ルートを確保した上での検査をお勧めします。
【文献】
1) 大森麻美子, 他:皮膚臨床. 2016;58(1):142-3.
【回答者】
長野 徹 神戸市立医療センター中央市民病院皮膚科部長