結核予防会結核研究所副所長
1956年北海道生まれ。81年札幌医大卒。同大第三内科などでの臨床を経て、93年札幌市保健所、2000年結核予防会結核研究所、国際協力事業団(JICA)としてフィリピンに派遣、06年より現職。13年から厚生科学審議会結核部会部会長
国の結核対策について議論する厚生労働省の厚生科学審議会結核部会の部会長を務める。部会は昨年、結核対策の指針である「特定感染症予防指針」の改正の議論を行い、同年11月、5年ぶりに改正指針が告示された。指針では現在の日本の罹患率14.4(人口10万対、2015年)を2020年までに10以下にすることを目標に掲げた。世界保健機関が14年に日本など罹患率の低い国にも根絶に向けた対策を求めたことがその背景にある。
加藤さんは「大変厳しい目標」としながらも、目標の実現には、早期診断と確実な治療の徹底が必要だと指摘する。「診断が遅れると患者さんの病状が進むだけではなく、院内感染の原因にもなります。医療従事者の感染を守る観点からも診断の際に結核の可能性を考慮してほしいですね」
13年には日本結核病学会の予防委員会委員長として「潜在性結核感染症治療指針」を作成した。結核発病の相対リスクを示し、HIV感染や透析、生物学的製剤使用などリスクが高い患者の治療を推奨している。「医療機関が結核の高リスク者を把握する目安としても活用していただきたいです」
残り469文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する