厚生労働省は1日、新たな受動喫煙防止対策の強化案を公表した。医療施設は「敷地内禁煙」を厳格化するが、既設の喫煙専用室については制度施行後5年間存置を容認。飲食店は原則「屋内禁煙」としつつ、小規模店舗を規制対象外とする。
新たな強化案は、厚労省が昨年10月に法案の「たたき台」として示した原案を、飲食業界や自民党内からの強い反発を受けて見直したもの。同省は今後、与党内の調整プロセスを経て健康増進法改正案を今国会に提出。成立した場合、ラグビーワールドカップが開催される2019年9月までに施行したい考え。
同省案の規制の概要は表の通り。医療施設は規模などを問わず「敷地内禁煙」とするが、制度施行時点で既に設置されている喫煙専用室は、今後省令で定める基準を満たせば施行後5年間は存置を認める。ホスピスや緩和ケア病棟、精神病棟については、入院患者の特性を踏まえ、一律的な規制の厳格化を憂慮する声も上がっていたが、これらの病棟では喫煙専用室の撤去などの対応がしばらく猶予されることになる。
診療所が院長の自宅に併設されている場合の規制対象範囲など、まだ明確になっていない点もあり、同省は今後「敷地内」の定義を検討する。
また、特養、有料老人ホームなど老人福祉施設は「屋内禁煙」とし、喫煙専用室の設置も不可とするが、個室内は規制の対象外とする。
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