日本認知症学会など関係5学会は14日、12日施行の改正道路交通法に対応した「認知症高齢者の自動車運転に関する専門医のためのQ&A集」を公表した。専門医の診療の参考になるよう、13のQ&Aを掲載している。
改正道交法では、75歳以上の高齢者が運転免許を更新する際に臨時認知機能検査で「認知症の恐れがある者」と判定されると、医師による認知症の診断が義務づけられる。
Q&A集では、認知症と診断した医師が「誤診により免許を取り上げられた」と患者から訴えられる可能性について「医師に刑事上の責任が生じることはないが、民法上の責任はこの限りではない」としている。かかりつけ医の診断を不服とし、セカンドオピニオンを求めて専門医を受診した患者への対応については「積極的に引き受けることが望ましい」と回答。「かかりつけ医から運転中断の告知や勧告が通常の身体疾患に関する診療に支障を来しうる場合も予測される」として、専門医はかかりつけ医と連携し支援する役割を担うよう求めている。このほか、初期・早期のアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症で抗認知症薬が有効だった場合や、家族のみが来て診断書の作成を依頼された場合、認知症として加療中で本人に告知していない場合の対応などについて解説している。