基礎・臨床・社会医学系126学会で構成する日本医学会連合(高久史麿会長)は3月22日、政府が検討している受動喫煙防止対策に関して、規制の例外を設けない「屋内完全禁煙」の実現を求め、塩崎恭久厚生労働相に意見書を提出した。
意見書提出後に会見した高久氏は、小規模バーなどを除き飲食店を原則屋内禁煙とする厚労省案について、「面積基準や喫煙室設置による例外を認めており、十分とは言えない」と評価。飲食店などのサービス業や事務所を含む公共施設内での喫煙を全面禁止する規制を求めた。
一方、飲食店に禁煙、分煙、喫煙可から選択させ、店頭表示を義務づける自民党たばこ議連案については、直接的な言及は避けつつも「厚労省案通りの規制が実現しても、2020年東京五輪で日本は世界に恥をさらす。その責任は政治家が取ることになる」と牽制した。
厚労省案に対しては、医学会連合の寺本民生副会長も「従来に比べれば前進と言えるが、まだ甘すぎる」と指摘。門田守人副会長は「受動喫煙の健康リスクは既に立証されている。雰囲気本位のディスカッションは学術的に許されない」と強調した。