循環器内科の先生方には平素より大変お世話になっており、感謝申し上げます。動脈硬化は全身の動脈の疾患であるため、脳血管狭窄症や頸部頸動脈狭窄症の患者には脳神経外科の術前に必ず冠動脈の精査を行い、症例によってはステント留置などをして頂いております。また、心原性脳塞栓症の原因となる心房細動のある患者には抗凝固薬を投与して頂くなど、お世話になるところが多いと感じております。
投与後のフォロー中の留意点として念頭に置いて頂きたいのは、日本人は欧米人に比較して脳出血をきたしやすく、出血後の止血がされにくいということです。したがって、欧米人の薬剤使用量は日本人にはまったく適応されず、特に高齢者、血圧コントロール不良例は出血リスクが高いため注意が必要となります。
脳卒中としての脳出血のみならず、頭部外傷による頭蓋内出血後に止血されず致命的となるケースがあるのは、ご存知の通りです。また、頭部MRIのT2*や磁化率強調画像で陳旧性脳出血を認める例では、特に脳出血リスクが高いと考えられるようです。最近は、一部の直接経口抗凝固薬(DOAC)の中和薬も開発されています。
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