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舌下免疫療法では高用量でも抗原抗体反応の起こりにくい理由は?【高量域免疫寛容を誘導するため】

No.4852 (2017年04月22日発行) P.61

岡野光博 (国際医療福祉大学医学部耳鼻咽喉科教授)

登録日: 2017-04-19

最終更新日: 2017-04-17

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  • 抗原に曝露するほど抗原抗体反応が増強するというのが従来の説であると思いますが,舌下免疫療法では曝露の回数が多いほど抗原抗体反応は寛容になると言われます。これはどう考えればよいのでしょうか。)

    (高知県 F)


    【回答】

    抗原抗体反応,すなわち免疫反応は抗原の曝露量によって変化することが知られています。免疫反応を引き起こす抗原量よりも少ない量や多い量の曝露では反応の低下,すなわち免疫寛容が引き起こされ,それぞれ低量域免疫寛容(low-dose tolerance),高量域免疫寛容(high-dose tolerance)と呼ばれます。

    高量域免疫寛容の代表例として,養蜂家のハチ刺されがあります。養蜂家の末梢血リンパ球を毎月採血し,ハチ毒アレルゲンに対する反応性(増殖反応)を観察すると,ハチ刺されのシーズン,すなわち高用量のハチ毒アレルゲンに曝露される5~9月にリンパ球の反応は劇的に抑制されます1)。一方,低量域免疫寛容の代表としては,食物アレルギーに対する経口免疫療法が挙げられます2)

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