緊急事態の極限化,拡大防止は,コミュニケーションのあり方,広報体制によって決まるといっても過言ではありません(図2)。発生してしまった事態について適切で誠意ある情報提供は,万一,悪意や偏見,誤解によって伝えられてしまった場合の対応としてきわめて重要です。こんな時,危機から抜けられるかどうかは,避難訓練もさることながら,広報体制がしっかりと確立されているかどうかにかかっていると言えます。これは,経営レベルからの広報が認識され,最前線となる広報部門との意思疎通が普段から行われていることに尽きます。
反対から言えば,経営と広報の情報ギャップが危機を増幅させることにもなり,また,トップの危機対処の決断と選択の問題として対応することが重要です。