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(1)総論:QOL障害の程度に応じたアレルギー性鼻炎治療を [特集:アレルギー性鼻炎治療薬使いわけマニュアル]

No.4734 (2015年01月17日発行) P.20

川内秀之 (島根大学医学部耳鼻咽喉科学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-15

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  • アレルギー性鼻炎は,通年性と季節性に区別できる

    症状別に,くしゃみ・鼻漏型,鼻閉型,充全型にわけられる

    患者の満足度を重視した薬物療法を行うことが重要である

    1. アレルギー性鼻炎治療の現状

    アレルギー性鼻炎の病態は吸入アレルゲンに対する鼻粘膜のI型アレルギー反応であるが,ダニやハウスダストなどをアレルゲンとする通年性アレルギー性鼻炎とスギ・ヒノキ花粉を代表アレルゲンとする季節性アレルギー性鼻炎に分類される。
    アレルギー性鼻炎患者は,くしゃみ,鼻漏,鼻閉の3大症状に加えて,重症の場合は頭痛,頭重感,倦怠感,不眠,イライラ感などの多彩な症状に悩まされることが多い。これらの症状は致命的になることはないが,患者の生活の質(quality of life:QOL)を著しく低下させる。QOL低下の結果,患者の就労・学習効率が低下する。
    このため,アレルギー性鼻炎患者の治療効果は,症状の改善とともにQOLも併せて評価することが必須となっている。鼻症状の改善には,通常,くしゃみや鼻漏に対しては第2世代抗ヒスタミン薬が広く用いられ,鼻閉にはロイコトリエン受容体拮抗薬(leukotriene receptor antagonist:LTRA)やトロンボキサンA2(thromboxane A2:TXA2)受容体拮抗薬,さらには点鼻ステロイドが使用されている(表1)1)。鼻閉型または鼻閉を主とする充全型で重症の患者においては,これら薬理効果の異なる薬剤の併用が推奨される。

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