東京都医師会の尾﨑治夫会長は1日、任期満了に伴い6月に実施される次期会長選に向け、事務所開きを行った。尾﨑氏は、地域医療構想区域にとらわれない医療提供体制の構築と各種事業の展開など7項目を重点医療政策として打ち出した。事務所開きには日本医師会の横倉義武会長も駆けつけた。
尾﨑氏は、今後東京では急速に進む高齢化への対応が課題との見方を示し、「地域医療構想区域(2次医療圏)の中だけで医療提供体制を構築しようとすると偏ったものになってしまう。東京全体の調整会議を開きながらバランスを整える必要がある」と指摘。医療資源やニーズの実態を踏まえた形で各種事業を展開していく必要性を強調した。
また「病院救急車」の活用を提案。現在八王子市と町田市、葛飾区の各医師会が実施している、在宅療養中の高齢者が急変した時に病院が所有する救急車で搬送するという取り組みが、「東京の救急医療を救う道になる」と訴えた。
来賓として挨拶に立った横倉氏は、「東京の行方には全国が注目しているが、行政の計画は医療現場と乖離したものになることが少なくない。そうならないようにするために(尾﨑氏が)リーダーシップを発揮し、情報発信を積極的にしてほしい」と激励した。