自民党厚生労働部会は23日、脳卒中、心臓病などの循環器病対策を総合的に推進する「循環器病対策基本法案」を了承した。今国会に提出し、早期成立を目指す。同法案は、循環器関連の学術・患者団体の要望を受け、議員立法で作成。循環器病による死亡者、要介護者の増加を踏まえ、予防の推進を通じて健康寿命の延伸を図り、医療・介護の負担軽減につなげる。
法案では、政府、都道府県にそれぞれ、循環器病対策に関する施策と具体的な目標、その達成時期などを盛り込んだ「循環器病対策推進基本計画」の策定を義務づけ、少なくとも6年ごとに見直しを行うとしている。基本計画の策定に当たっては、厚生労働省、都道府県にそれぞれ、患者、消防、保健、医療、福祉などの関係者で構成する協議会を設置する。
国と地方公共団体が取り組む基本的施策としては、①予防の推進、②発症疑い者の搬送・受入体制の整備、③専門医療機関の整備、④患者等の生活の質の維持向上、⑤消防・医療の連携協力体制の整備、⑥保健・医療・福祉従事者の育成、⑦情報の収集・提供体制の整備、⑧研究の促進─などを定める。
これに加えて附則では、糖尿病に起因して人工透析を受けており下肢末梢動脈疾患を有する者、てんかん等の脳卒中の後遺症を有する者に関する施策について政府が検討を加え、所要の措置を講じることも規定する。