泌尿器科のがん医療はこの30年,目覚ましい発展を遂げてきた。わが国の泌尿器科は外科治療と内科治療をともに行うところに特徴がある。薬剤の効果が高い患者を遺伝子情報や効果予測バイオマーカーで選択するprecision medicine,そして正確,低侵襲に加えて,手術のシミュレーションやナビゲーションによりロボット支援手術をプラットフォームとして行うprecision surgeryがいまや,治療の最先端に躍り出ている。特に前立腺癌は,わが国では2015年から男性が罹患するがんで第1位になっている。
今回の特集では,泌尿器癌の最前線についての話題を,若手のエキスパートに述べて頂いた。読者のみなさまのご参考になることを願っている。
【話題3】尿禁制を保つロボット前立腺手術
北村香介 堀江重郎
【話題4】転移性前立腺癌のprecision medicine
永田政義
【話題5】膀胱癌のロボット手術
武藤 智
コラム
排泄性腎盂造影は必要か?
清水史孝
尿道造影は必要か?
今泉健太郎
腎癌のサイトカイン療法(IFN-α,IL-2)は必要か?
近藤恒徳