厚生労働省は5日、乳がん検診において、マンモグラフィーの感度が低いとされる高濃度乳房への対応について検討するため、近く研究班を設置する方針を明らかにした。将来的に、受診者に乳房の構成を通知することを視野に入れて、高濃度乳房の実態把握や通知内容などについて検討する。
厚労省が3月に実施した調査によると、乳がん検診において、マンモグラフィーによる乳房の構成を本人に通知している自治体は13.5%。このうち、高濃度乳房の受診者がとるべき対応を推奨しているのは50%で、その内容は超音波検査の受診が最も多かった。
5日に開かれた厚生労働省の「がん検診のあり方に関する検討会」で同省は、高濃度乳房に関する現状と課題について、「他の乳房構成と比較するとマンモグラフィーの感度が低い傾向」「乳房構成の判定基準が一定ではない」「頻度や、がんの罹患リスク等の実態が不明」などと指摘。その上で、今後の方向性として、高濃度乳房の実態調査や、乳房超音波検査併用検診の感度等について近く厚労省研究班を立ち上げて検討することを提案(表)。これに委員が了承した。