日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会の四師会は10日、加藤勝信厚生労働相に対し、例外規定のない受動喫煙防止対策の強化・実現を求める要望書を提出した。
四師会は5月から7月にかけ、受動喫煙防止対策の強化・実現を求める署名活動を展開し、264万3023筆を集めた。要望書は2020年の東京五輪に向け、日本全体で屋内100%全面禁煙とする国際水準の受動喫煙防止法の制定が不可欠と強調。次期国会で受動喫煙防止対策を強化する法案の成立を求めている。
加藤厚労相は、「望まない受動喫煙をなくすべき、ということは国民のコンセンサスと理解している。望まない受動喫煙のない社会を作っていくため、実効性のある対策とそれを盛り込んだ法案を提出できるようにしていきたい」との考えを示した。法案提出の時期については明確な言及を避けたが、「時間的余裕はない」との認識を示した。
提出後に会見した日医の横倉義武会長は、「(加藤厚労相と)望まない受動喫煙防止対策を徹底するというコンセンサスを得られた」とした上で、「日本の受動喫煙防止対策は世界最低レベル。国民の健康を守る立場からは例外なき屋内全面禁煙を求めていく方針に変わりはないが、まずは一歩でも二歩でも進めることが重要」との認識を示した。