厚生労働省は8月25日、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の「研究開発及び生産・流通部会」で、今シーズン(2017/18年)のインフルエンザワクチンの製造量が昨シーズンを約260万本下回るとの見通しを示した。同省は、13歳以上の者は原則1回注射であることを周知するなどして、昨年度と同等の接種者数の確保を図るとしている。
国内のワクチンメーカー4社が今シーズンに製造するインフルエンザワクチンは、7月現在、計2528万本の見通し。昨シーズンの製造量(2784万本)より256万本少なく、医療機関での使用量(2642万本)と比べても114万本少ない。同省によると、インフルエンザHAワクチン(H3N2亜型)の製造株として当初選定していた株の増殖効率が想定より悪く、再検討を行って昨シーズンと同じ株の使用を決定したため、製造開始が遅れたという。
同省は安定供給対策として、13歳以上の者が接種を受ける際には、医師が特に必要と認める場合(基礎疾患があり著しく免疫が抑制されている状態など)を除き、1回注射であることを周知徹底する方針。医療機関に対してはワクチンの予約・注文数が昨年の使用実績を上回らないようにすることを求めるほか、医療機関からの返品への対応も強化する。