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成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)に対するレナリドミド療法【再発難治ATLLの治療選択肢が増えてきた】

No.4871 (2017年09月02日発行) P.51

亀田拓郎 (宮崎大学内科学講座消化器血液学)

下田和哉 (宮崎大学内科学講座消化器血液学教授)

登録日: 2017-08-29

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成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)は,ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)キャリアの約5%に発症する成熟T細胞腫瘍である。わが国のHTLV-1キャリアは108万人と推定されており,年間約1000人がATLLを発症する。

ATLLの急性型とリンパ腫型には多剤併用化学療法が行われるが,2年生存率は20%程度と不良である。ATLLの約90%の症例に発現がみられるケモカインレセプターCCR4に対する抗体であるモガムリズマブが開発され,生存期間延長効果が報告されている1)。このような背景の中,2017年3月にレナリドミドが再発難治ATLLに対して薬事承認された。同剤の第2相試験における無病生存期間,総生存期間の中央値は,それぞれ3.8カ月,20.3カ月であった2)。興味深いことに,モガムリズマブと同様に,皮膚の有害事象を認めた症例では,認めなかった症例と比べ奏効率が高かった。

レナリドミドの作用機序として,腫瘍細胞に対する直接的な抗腫瘍作用のほかに,血管新生阻害作用,T細胞やNK細胞の活性化による抗腫瘍免疫の賦活など,多面的な機序が知られている。再発難治ATLLに対する治療選択肢が増えてきた。

【文献】

1) Ishida T, et al:J Clin Oncol. 2012;30(8):837-42.

2) Ishida T, et al:J Clin Oncol. 2016;34(34): 4086-93.

【解説】

亀田拓郎*1,下田和哉*2  *1宮崎大学内科学講座消化器血液学 *2同教授

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