日本医療機能評価機構は8月15日、「医療安全情報No.129」を発出し、添付文書で「併用禁忌」と記載されている薬剤を誤って併用投与した事例の報告が続いているとして、注意喚起を行った。
同機構は、併用禁忌の薬剤が投与された事例として、循環器内科医が静脈血栓のある患者にワーファリン錠3mgを処方し同錠を開始した2日後に、皮膚科医が口腔内カンジダ症に対しフロリードゲル経口用を処方した事例を紹介。両剤の併用については、昨年10月に添付文書が改訂され、「併用注意」から「併用禁忌」に変更されていたが、薬剤マスタの最終更新が改訂の前月になっていたため、処方時にアラートは表示されず、薬剤部からの疑義照会もなかった。患者はフロリードゲル経口用の使用2日目にPT-INR(プロトロンビン時間国際標準比)が測定不能となり、ヘモグロビンが4.3g/dLに低下、内視鏡検査で胃噴門部からの出血が認められたという。
同機構は、事例が発生した医療機関の取り組みとして、新たな併用禁忌の情報を得た場合に薬剤師が各診療科に周知することや、マスタの速やかな更新、医師による処方内容の確認、薬剤の保管棚に「併用禁忌あり」と表示するなどを紹介し、類似事例の再発防止を呼び掛けている。
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