【質問者】
具 芳明 国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター情報・教育支援 室長
簡単に言えば,Choosing Wisely1)は過剰医療を抑えようとする米国発のキャンペーンです。医療のすべての分野に関して「医療者と患者が検討するべきこと」を提示しています。表面上柔らかく言っていますが,それらは本来「やってはいけない無駄な医療」ということになります。「わかっちゃいるけどやめられない」というのが人間の性質でもありますが,それにより患者だけではなく,社会に大きな弊害が出ているためこのようなキャンペーンになり,2016年にわが国にも上陸しました。今後,わが国でも大きな動きとなることが予想されます。
さて,このChoosing Wiselyにおいて,感染症はすべての分野に関わる臓器横断的な特徴があるため,感染症系の学会だけではなく,様々な領域で感染症の項目があるのが大きな特徴です。薬剤耐性菌が全世界の公衆衛生学的な脅威であることもふまえ,抗菌薬適正使用という切り口のものが多いのですが,それ以外にも検査の適正施行や感染対策・医療関連感染予防の観点もみられます。なぜなら医療関連感染症の7割は適切な介入で予防可能とされているからです。
このキャンペーンは米国に限らず今は全世界的に広がっているので,他国の項目も含めてわが国の現状に合ったよく取り上げられている項目をご紹介します。
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