福島原発事故からまもなく3年を迎えるにあたり日本医師会と日本学術会議が2月22日、被災者の健康支援について考える共催シンポジウを開催し、国に対し健康支援策の拡充を求める提言を取りまとめた。
現在は、福島県が県民を対象に健康管理を実施しているが、放射能汚染は福島県に限定されないことや、問診票の回答率が約23%に低迷するなどの課題が指摘されている。
シンポジウムでは、福島県医師会の木田光一副会長が、「放射線被ばくの恐れがある国民すべてに対して国が一元的に健診を実施すべき」と提言。さらに、「かかりつけ医などの医療機関が健診データを一元的に管理し、住民と共有することが重要」と指摘した。
こうした意見を踏まえ提言では、県域を越えた被災者や原発作業員を対象とした国の健康支援システムを構築するとともに、健診データのデータベース構築も提言。さらに、健康支援や、緊急被ばく医療体制を整えるための人的資源育成を中心的に行うナショナルセンターの設置も求めた。