国立感染症研究所は2月25日、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の原因ウイルス(SFTSV)を持つマダニがこれまでに患者発生がない地域も含め全国に分布しているとする厚生労働科学研究班の調査結果を発表した。
SFTSはウイルスを媒介するマダニに咬まれることで発熱や消化器症状などを生ずる感染症。致死率は最高で30%程度とされ、国内では昨年1月に初の感染者が報告されて以降、九州、四国、中国など西日本で52人が感染、うち21人が死亡している。
感染研によると、研究班が九州から北海道の26自治体で採取した18種4000匹以上のマダニを調査したところ、これまでに患者が確認されていない関東、東北、北海道など東日本のマダニからもSFTSVが検出された。
今回の調査では、これまで主な媒介主とされてきたフタトゲチマダニとタカサゴキララマダニの2種以外の複数のマダニがSFTSVを保有することも判明している。
調査結果を受け、田村憲久厚労相は同日、「これからマダニが活発化する季節に入る」として注意喚起を行った。