厚生労働省は、東京電力福島第一原発の緊急作業従事者を対象に被ばくの健康影響を調査するため、疫学調査の方法について検討する専門家検討会の初会合を14日開催した。今年5月に報告書をまとめ、2015年度から実施する予定。
厚労省によると、原発事故後の11年3月14日から12月16日までの緊急時に第一原発で作業した人は1万9346人。これらの作業員は被ばくによる健康被害が懸念されるため、現在、厚労省が被ばく線量を蓄積するデータベースを構築し、離職後を含めて長期的な健康管理を行う体制を整備している。
一方で、被ばくの健康影響を疫学的に調査する場合には健康管理とは別の調査体制が必要であることから、検討会が設置されたもの。放射線医学や疫学の専門家が委員を務め、座長は財団法人放射線影響研究所の大久保利晃理事長が選ばれた。
検討会では今後、集団設定、検査項目、研究体制など調査計画について検討する。