ヤンセンファーマとアストラゼネカ、日本イーライリリー、日本新薬の4社は連名で、去勢抵抗性前立腺癌治療薬「ザイティガ錠」(一般名:アビラテロン酢酸エステル)と前立腺肥大症に伴う排尿障害治療薬「ザルティア錠」(同タダラフィル)の取り違えについて、注意喚起する文書を公表した。
文書によると、両薬はいずれも泌尿器科用薬であり、販売名が類似していることから2014年9月から17年7月までに、処方オーダーシステムにおける両薬剤の選択ミスや調剤時の薬剤取り違え事例が6件報告された。両薬の取り違えについては、15年6月にヤンセンファーマより注意を促す文書が配布されたが、その後も取り違え事例が発生していることから改めて周知した形になる。ザイティガ錠は17年3月に白色素錠からピンク色のフィルムコーティング錠に変更、目視での確認も有効となる。
医療機関に対しては、処方オーダーシステムにおける対策と周知の徹底を要請。表示方法の工夫として、「前立腺癌治療剤ザイティガ錠」とするなど薬剤名称に薬効を付けたり、販売名が類似した薬剤が選択された場合に「前立腺癌治療剤ですがよろしいですか?」とポップアップ画面で確認を促すことなどを提案している。
また検索方法の工夫では、薬剤マスターに登録されているハイリスク薬のザイティガ錠の検索キーを、先頭3文字が一致している薬剤のみを表示するなどの変更や工夫で選択ミスを防ぐよう提案している。