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超音波を用いた整形外科診療の重要性を強調【皆川洋至氏】

No.4877 (2017年10月14日発行) P.15

登録日: 2017-10-10

最終更新日: 2017-10-12

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運動器の痛みの新しい治療法「ハイドロリリース(hydro-release:HR)」の第一人者である皆川洋至氏(秋田県・城東整形外科診療部長)が7日、日本肩関節学会で講演し、超音波診断装置を用いた整形外科診療の重要性を訴えた。

HRとは、超音波ガイド下で穿刺を行い、線維性結合組織(fascia:筋膜、靭帯、支帯、腱膜、関節包、傍神経鞘など)に生理食塩水を注入してfasciaの癒着を剥離させることで痛みを治療する方法。皆川氏は、従来のレントゲンによる診断について「骨しか見えず情報が少なかったので、治療法が薬物療法しかなかった。しかし、エコーを使える時代になったら薬がなくてもよい治療法ができた。それがHRだ」と説明した。

皆川氏はまた、「絞扼性末梢神経障害という表現は静止画的な表現。実際の末梢神経障害はダイナミックで、局所の可動性が悪くなり、動かす中で神経に牽引が加わっている」と解説。その上で、「ほとんどの末梢神経障害は筋間や生理的障害部位の“牽引性末梢神経障害”。HRはその牽引の原因になっている局所の神経に滑走性をつくるもの」と述べ、HRの有用性を強調した。

さらに「関節外にも痛みの原因はたくさんある。HRで(診療の)ストライクゾーンがかなり広がる」と話したほか、「21世紀はエコーの時代。真実は再診で語られる」とのスライドを示し、超音波診療の重要性を訴えた。


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