鼻出血等に対する止血目的で処方するトラネキサム酸(トランサミン®)やカルバゾクロム(アドナ®)はアスピリンやクロピドグレル,ワルファリン,直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant:DOAC)等の抗血小板薬や抗凝固薬に対して,あるいはそれらを必要とする疾患に対して影響を与えることがあるのでしょうか。
(千葉県 K)
トラネキサム酸は影響する可能性がありますが,カルバゾクロムは影響しません。
トラネキサム酸は,プラスミンやプラスミノゲンのフィブリンアフィニティー部位であるリジン結合部位(lysine binding site:LBS)と強く結合し,プラスミンやプラスミノゲンがフィブリンに結合するのを阻止します。このため,プラスミンによるフィブリン分解は強く抑制されます1)。薬剤添付文書の使用上の注意に「血栓症が現れるおそれのある患者には慎重に投与すること」と記載があります。
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