尋常性白斑の治療は皮膚疾患の中でも難治である。これまで外用療法や紫外線治療が広く行われ,欧州や国内のガイドラインに準じた治療の標準化が試みられている。外用療法は,ステロイド・カルプロニウム外用薬に加え,現在ではタクロリムス外用薬の有効性が証明されている。紫外線治療は,これまでPUVA療法やブロードバンドUVB(ultraviolet B)療法が行われていたが,有効波長を限局的に照射可能なナローバンドUVB療法や,ターゲット治療を可能にしたエキシマレーザー(ライト)療法が保険収載され,皮膚科施設で広く用いられている。
一方で,紫外線は活性酸素産生を促しメラノサイト傷害に働く負の作用も有しており,治療の最適化が望まれる。さらに,白斑の病態解明が進むにつれ,免疫関連サイトカインやメラノサイトに対する酸化ストレスを標的としたターゲット治療が注目され,開発が今後加速していくであろう。また,外科治療に関しては皮膚移植の代わりに細胞移植もしくは色素幹細胞移植など,今後再生医療に含まれるような治療法の開発が国内でも容認され前進することが期待される。
尋常性白斑治療で保険収載されている薬剤に,ステロイド外用薬フルオシノニド(トプシム®)とカルプロニウム(フロジン®)があり,それぞれ1975年,69年に発売され,治療効果も限定的である。
紫外線治療では,尋常性乾癬に準じ70年代に外用PUVA療法,90年代にブロードバンドUVB療法,90~2000年代にナローバンドUVB療法が登場した1)2)(表1)。
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