厚生労働省は、水痘と成人用肺炎球菌の2ワクチンについて2014年度中に定期接種化することを決めた。予防接種法の政省令を改正し、10月にも施行する。
厚労省が15日に開いた厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(岡部信彦分科会長)に対応案を示し、了承を得た。
接種対象者・方法は別掲の通り。
水痘ワクチンは生後12〜36月の者が対象で、既に水痘に罹患したことがある者は対象外。感受性者が取り残されることによる成人の重症水痘の増加を防ぐため、導入時のキャッチアップとして、2014年度に限り生後36〜60月の者にも接種機会を1回提供する。
成人用肺炎球菌ワクチンは、①65歳の者、②60歳以上で心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能、またはHIVによる免疫の機能に障害を有する者─を対象とする。
水痘は主に集団予防を図る目的である「A類疾病」、成人用肺炎球菌は個人予防目的に比重のある「B類疾病」に位置づける。ワクチンの供給状況、自治体の準備期間や国民への周知期間等を勘案し、2ワクチンとも10月から導入する方向で準備を進める。
予防接種部会の提言(2012年)等で「広く接種することが望ましい」とされていたおたふくかぜとB型肝炎については、今回は定期接種化が見送られた。