ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの副反応として報告されている慢性疼痛や運動障害などの病態について、厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議(桃井眞里子座長)は20日、「注射針の痛みや薬液による腫れをきっかけとして心身の反応が惹起され、症状が慢性化した可能性が高い」とする結論をまとめた。
接種後1カ月以上経過して発症した慢性疼痛についても「従来の知見では局所疼痛は2週間以内に軽快する」として、ワクチン成分との因果関係を疑うのは困難との見解で一致。3カ月以上にわたって症状を呈する場合は、接種以外の要因が関与しているとした。
昨年6月から中止されている接種の積極的勧奨再開については議論せず判断を持ち越した。
厚労省は2月の次回会合でワクチンの安全性に対する医学的評価を盛り込んだ報告書をまとめ、それに基づき再開の是非を判断する方針。