日本慢性期医療協会の武久洋三会長は14日の会見で、新たな病床機能別分類として、「地域包括期」を提案した。急性期と慢性期の間に位置付け、中学校区程度の地域に密着した急性期病床、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟の機能を担うものとしている。
厚労省は6日の中央社会保険医療協議会総会で、一般病棟・療養病棟の入院基本料の評価体系を、「急性期医療」「長期療養~急性期医療」「長期療養」の3機能を軸に再編する見直し案を提示した(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=8786)。武久氏が提案する地域包括期は、このうち長期療養~急性期医療を指すという。
武久氏は、「『回復期』という病期は回復期リハビリテーションというイメージが強く、急性期病床からの転換には慎重な病院が多い」として、回復期という言葉を使わないことを提唱。また、リハビリテーションは回復期のみに必要な技術ではなく、発病直後から行うと効果が大きいことは常識で、急性期から在宅期にかけて一貫して必須な技術だと強調した。
慢性期医療については、「慢性期における急変患者も担当する『慢性期治療病棟』機能が評価されるべき」と指摘。明らかに終末期とされる患者の治療はQOL優先の病状緩和を主として、介護医療院で看取るべきと主張した。