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小耳症手術におけるフレームワーク作製のコツ【吸収の生じやすい耳輪・対輪は成熟した肋軟骨外層を利用する】

No.4907 (2018年05月12日発行) P.56

前川二郎 (横浜市立大学形成外科教授)

四ッ柳高敏 (札幌医科大学附属病院形成外科教授)

登録日: 2018-05-15

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  • 小耳症手術で自家肋軟骨を用いたフレームワークを作製し移植しますが,長期経過では自家肋軟骨が徐々に薄くなることを経験します。また,軟骨の固定に使用するワイヤーの露出などを起こす例も少なくありません。このような長期に起こる問題を防ぐために,フレームワークの土台や耳輪をどの程度薄くすればよいのか,あるいは軟骨吸収を防ぐ方法などについて,札幌医科大学・四ッ柳高敏先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    前川二郎 横浜市立大学形成外科教授


    【回答】

    耳介再建後の長期経過で生じる代表的な合併症として,以下が挙げられます。

    (1)耳介(軟骨)の変形

    スポーツなどによる損傷は意外と少なく,多くは就寝時の同姿勢の圧迫が長期間続くことで,特に耳輪に変形が生じます。また,挙上用に側頭骨上に移植した軟骨が,骨のない前方に押し出されていくことで,聳立の減少や前方偏位も生じます。

    対策としては,聴力の低い患側を下にして寝る習慣を有する患者が多いことから,術前から就寝時姿勢の矯正を意識させることが望ましいと思われます。

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