誤嚥性肺炎予防のケアは,高齢者ケアにおける最重要ケアのひとつである
リハビリテーション栄養という考え方は,在宅要介護高齢者の誤嚥性肺炎予防に適用できる
活動量確保・日常動作維持・栄養管理・口腔ケアは欠かせない要素である
日本人の死亡原因疾患の第3位に「肺炎」が浮上して7年経つ。1972年頃まで肺炎で死亡する日本人は減少傾向であったにもかかわらず,その後反転し,現在まで増加し続けている(図1)。
1970年代前半といえば,ちょうど女性の平均寿命が75歳を超えた頃と一致する。また,男性の平均寿命が75歳を超えた1980年代中盤は,肺炎死亡率曲線の傾きがさらに大きくなり,肺炎死亡率増加に拍車がかかった時期である(図1)。さらに,肺炎で死亡する人の9割以上が75歳以上の高齢者であることからも,肺炎の治療予後には加齢に伴う心身の影響が関わっていることが推測できる。高齢者肺炎の8割以上は誤嚥性肺炎であると言われている1)。つまり,超高齢社会における医療・介護・福祉の現場では,誤嚥性肺炎の予防策を講じることが重要視される。