□脱水は予防的ケアを原則とする。患者・介護者に生活のなかで脱水予防を意識させ,具体的方法を指導する。ケアマネジャーなど専門職に対しても同様である。
□脱水は早期であれば1本の点滴で改善できる。脱水の徴候を早く拾い上げられる体制づくりが重要である。
□皮下点滴法は,慢性心不全患者や認知症高齢者などに在宅で行う際,安全で扱いやすく有用である。
□成書には,脱水の徴候として,口腔内乾燥,口渇,舌の乾燥・萎縮・縦皺,皮膚ツルゴールの低下,腋窩の乾燥,体温上昇,嘔吐,めまい,倦怠感,頭痛,濃縮尿,尿量の低下,起立性低血圧・立ちくらみ,血圧低下,脈拍上昇,意識レベル低下などが記載されている。
□虚弱で要介護状態の高齢者の場合は,「何となく活気がない」「食欲がない」「微熱がある」などの不定の症状から脱水に気づくことも多い。
□口腔内所見(口腔内乾燥,舌の乾燥など)は,脱水の所見としての感度は高いが特異度は低い。口呼吸をしているだけでも生じる所見であるため,比較するには普段からの観察が重要である。
□腋窩の乾燥は,脱水の所見として特異度が高い。
□水分摂取の重要性を認識できるか,補液に協力的で安全に実施できるか。
□頻尿による身体負担や排尿の失敗を避けようと,飲水を自己制限する生活習慣はないか(詳細は後述)。
□患者の水分摂取に協力的か。
□血液検査:BUN,Cr,Na,Htなど。
□尿検査:尿比重,尿中Naなど。
□超音波:下大静脈径の測定など。
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