株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

在宅NPWT[私の治療]

No.5255 (2025年01月11日発行) P.45

栗原 健 (くりはら皮フ形成外科院長)

登録日: 2025-01-14

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • わが国における局所陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy:NPWT)は,2010年4月に保険収載(局所陰圧閉鎖処置)され,2020年6月には在宅でも保険適用となった治療法である。NPWTとは,創傷に対して陰圧を負荷することによって,創傷治癒を促進させる物理療法であり,治療期間の短縮が期待できるほか,既存の外用薬治療に比べて処置の頻度や回数を減らせる利点がある。超高齢社会を迎え,病院のベッド不足も相まって,在宅NPWTの需要は今まで以上に高まるものと考えられる。

    ▶治療の実際

    現在,在宅で使用できるNPWT機器は,以下の3機種に限られている。

    • PICO創傷治療システム(スミス・アンド・ネフュー)
    • 3M™Snap™陰圧閉鎖療法システム(3Mジャパン)
    • UNO単回使用創傷療法システム(センチュリーメディカル)

    機材の選択にあたっては,各々の特性の理解が求められる。PICO,UNOについては,ドレッシング材のサイズをバリエーションの中から選択するタイプで,Snap™のように自由に加工することは想定されていない。また,PICO,UNOについては,ドレッシング材のシリコンゲル接着層が肌に優しいので,比較的脆弱な皮膚にも使いやすいと思われる。交換時の皮膚障害が心配な症例には,非アルコール性の被膜スプレー等を周囲皮膚へ噴霧してから貼付することも予防手段として有効である。一方,傷が三次元的な複雑な形状で,皮膚への強い密着性が優先されるような創部については,比較的自由に加工できるSnap™が向いている。その他,詳細な機材の特性,使用方法や使用開始後のアラート,エラー等については,各企業からわかりやすい説明資料が用意されているので参照されたい。

    WEBコンテンツ「局所陰圧閉鎖療法のバリエーションとコツ」

    残り1,729文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top